一般社団法人リディラバが主催する社会的事業の経営者・経営幹部向けのカンファレンス「R-SIC」 とYouthCreateが連携し、2月18日に中野区内でのスタディツアーを実施しました。

「中野区の事例から、社会の関心と無関心の分断の種を考える」をコンセプトに、フィールドワークやヒアリング、参加者同士の対話などを行ったのち、参加者と中野区議会議員による意見交換会を実施しました。

今回の活動について、YouthCreate学生インターンの酒井が活動をレポートしています。

政治への無関心と克服のための実践?

私は現在、東京の某大学に通う大学生である。政治に関心がないわけではない。なんとなく意見も持っている。TVや新聞で騒がれているニュースもなんとなくは知っている。(トランプとか森友学園とか・・・)政治は大切だと思っているし、もっと政治に関して参加できる人が、議論ができる人が増えればいいと思っている。

ただ、実際に政治の場面で、国会で、地方議会で何が審議されているかとか、どの政治家のどの政策が良くて、何が悪いかと具体的なことを聞かれたら答えに窮するかもしれない。政治に興味を持っているフリをしているのに、実際に自分の住んでいる街で、普段見慣れている風景に関して、何も知らないなんてちょっぴり恥ずかしい。でも同時に、ある意味仕方がないと思っている自分がいる。だって、時間がないんだし、普段配られる回覧板に書いてあるものはつまんないし、政治家(ヤツラ)は大した議論もしていない「はず」だから、それなら他のことに時間を費やした方がいい。

もしかしたら、日本社会において政治に対して関心が低いと言われるのは、政治への関心が「なんとなく」で止まってしまうのは、そもそも、そういうことを知るための、考えるための、感じるための機会がないからかもしれない。今回の企画は、そういうことがよく分かっているからこそ、作ったものだった。

YouthCreateは社会問題に関してスタディツアー等を精力的に開催されているリディラバという団体と協働で、以下のような企画を開催した。その名も「関心と無関心の分断を探る!中野区の議員とともに地域の政治を考えるツアー」本ブログでは、このイベントがどんなものであったのか、そこから何を得ることができたのかを、一人称の視点から紹介していきたいと思う。

知って、考えて、感じる政治

開催したのは2月18日。中野の市民体育館前に朝10時ごろに集まった。参加者は20人程度で、企業に務めをしている人、NPOで働いている人、大学生、そして高校生と非常に多種多様な背景を持つ人々に参加いただいた。

概要はこうだ。先日、中野区議会で平和の森公園が再整備されること(かなり大々的に行われる)に関して、実際に公園利用者にどこまで利用者が今回の議会決定を知っていて、それについてどう思うかということをヒアリングするというものであった。その後、中野某所に移り、ヒアリングの結果に基づき中野区議員と実際に会い、地方政治に対する関心や参加をいかにして促すかということに関して議論するというものであった。

今回のワークショップの目的は、これらの活動を通じて、参加者自身に具体的に地方議会で何が行われているかを知ってもらい、実際にどうすれば政治参加が増えるかを市民のナマの声をもとに考え、議論することで政治と私達の生活の結びつきを感じてもらうことにあった。

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公園と政治?

正直、普段公園を利用するときに、公園と政治を結びつけて考えられる人はどのくらいいるだろうか。少なくとも、僕の場合は、政治と公園の結びつきは意識しない。出来たものを利用させてもらう側で、主体的に設計については考えないし、考えても政治的なものとはつなげて考えなかった。

ただ、今回は政治的なものの見方を意識して、参加者は思い思いに通りすがる利用者に声をかけた。時間も限られていたため、ヒアリング調査に長い時間をさくことはできなかったものの、この活動を通して、新たな公園像が見えてきたように思う。公園における資源の配分や配置の仕方一つとっても、本当はそこには政治的なものがあふれている。子どもが利用できる遊具は設置されてあるか、ゴミ箱はあるか、外国語の標識はどの言語で書かれているか、どのスポーツの利用できる運動場があるのか。これらの問はすべて、中野区議会が平和の森公園という公共圏おいて、何がもっとも政治的に公平性があり妥当であるかという政治的立場の現れなのだ。

さらに、ヒアリングを通して、そのような政治的レンズをかけずに利用している利用者がいかに自分たちの使う、自分たちのお金で作るこの公園に関して、インフォームされていないかを知ることが出来た。政治との関連を意識して普段なんとなく過ごしている日常を見渡すと、政治的なものがグッと近くなり、新たな日常を見ることが出来るのだと、感じさせられたヒアリングだった。

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リアル政治家との対談

あんな事こんな事を思いながら、公園での調査を終え、次は実際にこの公園の再設計に携わった中野区議会議員の方たちとの交流会に移った。交流会は全体で一時間程度であった。

前半はトークショー、後半は座談会方式で交流会が行われた。トークショー時のモデレーターはYouthCreate代表の原田謙介が務めた。中野区議会からは、加藤たくま議員(自由民主党)、木村公一議員(公明党)、ひやま隆議員(民進党)*五十音順 にお越しいただいた。

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トークショーでは、公園の再設計に関して、それぞれの立場表明に加え、政治家としての苦労であったり、なぜ政治家になりたいと思ったか、お給料の使いみちなど、ざっくばらんに議論が行われた。座談会では、主にどのようにしたらより多くの人に政治に興味を持ってもらい、市民の政治参加を促せるかについて、参加者との活発な意見交換が行われた。

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想像上(Imagined)の政治家とリアル政治家

そこで、見えてきたことがいくつかある。もしかすると私たちは政治家について語るときなんとなく作られたイメージで語っているかもしれないということ。少なくとも、私は今まで実際に政治家との方と会ったがなかったし、議会に出席していないときは何をしているかも分からなかった。

今回の交流会を通じて、議員の方と物理的にも近くにいて、実際に話しをすることで、政治家がただのイメージから具体的な人になり、人になることでその人が議会で何をしているかもっと具体的に知りたいと思う、そういうサイクルが参加者の中で出来ているように思えた。そして、市民の政治参加に関しては、参加者から政治のニュースが日常生活に入ってこないというナマの声が度々聞かれた。提案されたものの中には、もっとインターネット、SNSを通じた、情報提供や議論のプラットフォームを構築すると良いのではないかというものもあった。

政治家の方との交流会においては、実際にそこで提案されたものが実現されるか否かは分からないが、少なくとも政治家と市民が実際に交流することが出来て、一緒に考える事のできる空間が必要で、こういった交流の場が少しずつではあるが私達の政治への距離を縮めることが出来るのではないかと思った。

まとめ

政治に関して無関心ではないし、なんとなく意見も持っている。政治は大切だと思っているし、もっと政治に関して参加できる人が、議論ができる人が増えればいいと思っている。

もう一歩が踏み出せないのは、政治っていうのは難しくて、たくさん勉強しないといけなくて、すごく遠いものだと感じてたから。政治との距離を決めていたのは、僕が勝手に決めつけた政治へのイメージだったのかもしれない。政治は私達の身の回りに、今歩いている、住んでいる直ぐ側に転がっていて、本当はすごく簡単に関わっていけるんじゃないか。そんなことを知り、考え、感じさせられたワークショップであった。

地方政治だから僕にとって重要で、地方政治できること!動けば変わる!Let’s get involved!

(文責:酒井)