日本人が一生のうちに経験する選挙の回数って何回?

日本人が一生のうちに経験する選挙の回数って何回?

日本人が一生のうちに経験する選挙の回数を計算してみると,驚きの結果が。「一生のうちにやって来る選挙の回数は,一生の間にやって来る〇〇よりも多い」。果たして,〇〇に当てはまるものとは?

一生で経験する選挙の数,計算の条件

日本人が一生のうちに経験する選挙の回数ってどれくらいでしょうか?計算してみるにあたって,いくつか条件を設定したいと思います。

中野区を中心に活動するYouthCreateにちなんで,東京都中野区在住の「ゆうこさん」について考えてみましょう。ゆうこさんの誕生日は,2000年4月2日。2018年4月2日に18歳を迎えることになります。ゆうこさんは中野区が大好きで,途中で引っ越しすることはないものとします。

では,ゆうこさんの「一生」を何歳までとするか?

2018年現在の男性の平均寿命は80代前半,女性は80代後半。ゆうこさんは女性なので,90歳の誕生日の前日まで投票するとしましょう。(ちなみに,病院や施設に入居している間でも,「不在者投票」という措置を利用して選挙に参加することができます。)ゆうこさんは2000年4月2日生まれなので,2090年の4月1日までに行われうる選挙について考えたいと思います。

条件をまとめると,

2018年4月2日から2090年4月1日の間に,中野区行われる選挙について考える

ということです。

一生で経験しうる選挙の種類

では,選挙の種類にはどんなものがあるでしょうか?東京都中野区在住のゆうこさんの場合,関係してくるのは,国,東京都,中野区の3つの行政単位です。

国に関連する選挙は,衆議院議員選挙,参議院議員選挙。

東京都に関連する選挙は,東京都知事選挙,東京都議会選挙。

中野区に関連する選挙は,中野区長選挙,中野区議会選挙。

ここで,憲法改正を問う国民投票や,地域の問題に関する住民投票はカウントしないの?という疑問を持つ人もいるかもしれません。

実は,国民投票や住民帳票は厳密にいうと「選挙」ではありません。選挙とは,国民や住民を代表して政治に関わる議員や首長を選ぶ「間接民主主義」の制度の1つ。一方で,国民投票や住民投票は,国民や住民が直接意思決定に関わる「直接民主主義」の制度の1つ。選挙は定期的に行われるのに対して,国民投票や住民投票はいつ行われるかわかりません。もしかしたら,国民投票も住民投票も,一生に一度も経験しないという人もいるかもしれません。選挙も国民投票も,自分の意見を票に書いて投票するという点は同じですが,今回は間接民主制での選挙だけを考えるものとします。

衆議院議員選挙(総選挙)

衆議院議員の任期は4年。衆議院は途中で解散される可能性があるので,任期は4年より短くなることが多いです。

実は,衆議院議員の平均任期は約2年8か月(976日)。

これは,戦後から2017年9月28日に衆議院解散された時点までのデータです。衆議院が任期途中に解散されない方が珍しいのです。衆議院が解散されず,任期満了によって選挙が行われたのは1976年だけ。この時の内閣は三木武夫内閣。衆議院議員選挙は,衆議院解散によって行われるケースが圧倒的に多いというのは意外です。

衆議院議員の任期の平均に従うと,次の衆議院議員選挙は2020年の6月。2020年6月1日から2090年4月1日までは25,507日あります。

衆議院議員の平均任期は976日ですが,解散された時点で議員の身分を失うので,次の議員が選挙で選出されるまでの間は,衆議院議員の地位が空白となります。その空白の日数を30日とします。

25,507÷(976+30)=25.3

この計算から,ゆうこさんが一生で経験する衆議院議員選挙の数は25回であることが分かりました。

参議院選挙

参議院議員の任期は6年。多くの方はご存知の通り,3年ごとに半数改選されるので,参議院議員選挙は3年に1度行われます。

現在の参議院議員のうちの半分は,2019年7月28日に任期満了となります。参議院議員選挙は,参議院議員の任期満了の前にあらかじめ行われます。過去の参議院議員選挙のスケジュールをもとにすると,次の参議院議員選挙は2019年の7月上旬に行われる見込みです。

ゆうこさんが経験する参議院議員選挙が行われる年は,2019年(1回目),2022年(2回目),2025年(3回目)…2088年(24回目)となります。

よって,ゆうこさんが一生のうちに経験する参議院議員選挙は24回ということが分かりました。

東京都知事選挙

都道府県知事の任期は4年。2016年の夏の東京都知事選挙で当選した小池百合子知事が任期満了になるのは,2020年7月30日です。参議院議員と同様に,知事選挙は任期満了の日の前にあらかじめ行われます。

知事が公選制となった戦後,東京都知事になったのは9人(小池知事を含む)。このうち,任期満了を迎える前に辞職したのが,

・石原慎太郎(任期満了まで3期務めたのち,4期目の途中で辞職)

・猪瀬直樹(1期目の途中で辞職)

・舛添要一(1期目の途中で辞職)

の3人。途中で辞職した東京都知事は2011年から2016年までの5年間に集中しています。今後の東京都知事がどうなるか分からないので,任期満了まで知事を務めるものと考えて計算します。

誰も途中で辞職しないとすると,ゆうこさんが経験する東京都知事選挙の年は,2020年(1回目),2024年(2回目),2028年(3回目)…2088年(18回目)となります。

よって,ゆうこさんは少なくとも18回の東京都知事選挙を経験することが分かりました。

東京都議会議員選挙

都道府県議会議員の任期は4年。

小池百合子知事をリーダーとする「都民ファーストの会」が躍進した,2017年の7月の東京都議会議員選挙。この時選出された議員の任期満了は2021年7月22日となります。知事選挙や参議院議員選挙と同様に,議会議員選挙は任期満了の日の前にあらかじめ行われます。

地方自治体法によると,地方議会が解散される条件は以下の3つです。(Wikipedia「日本の議会」および,関連法の条文を参照し作成)

1.住民からのリコール(有権者の3分の1の署名が必要)(地方自治体法第13条、第76条~第80条)

2.地方議会の全議員の4分の3以上が出席し、出席議員の5分の4以上のが議会の自主解散に賛成した場合(地方公共団体の議会の解散に関する特例法)

3.首長の不信任決議が地方議会で可決された場合,首長は10日以内に議会を解散することができる(議会を解散しない場合は,首長は辞任することになる)(地方自治体法第178条)

東京都議会は1965年に1度だけ,解散の条件2によって解散していますが,それ以外はすべて任期満了によって選挙が行われています。今回は,東京都議会が解散されないとして考えましょう。

ゆうこさんが東京都議会議員選挙を経験する年は,2021年(1回目),2025年(2回目),2029年(3回目)…2089年(18回目)となります。

よって,ゆうこさんが経験する東京都議会議員選挙は,少なくとも18回と分かりました。

中野区長選挙

区長の任期は4年。地方議会などと同様に,区長の任期満了の前にあらかじめ選挙が行われます。2018年4月2日から2090年4月1日の間に行われる選挙を考えると,ゆうこさんが最初に経験する中野区長選挙は2018年6月となります。任期の途中で区長が辞職しないものとして考えます。

中野区長選挙が行われる年は,2018年(1回目),2022年(2回目),2026年(3回目)…2086年(18回目)となります。

よって,ゆうこさんは少なくとも18回の中野区長選挙を経験することが分かりました。

中野区議会議員選挙

地方議会議員の任期は4年。2018年現在,中野区議会議員の任期満了のとなるのは2019年4月30日となります。中野区議会は,「統一地方選挙」のタイミングで行われることになります。(統一地方選挙については,またの機会に詳しく説明したいと思います。)中野区議会についても,任期の途中で区議会が解散しないとして考えます。

中野区議会議員選挙が行われる年は,2019年(1回目),2023年(2回目),2027年(3回目)…2087年(18回目)となります。

よって,ゆうこさんは少なくとも18回の中野区議会議員選挙を経験することが分かりました。

まとめ:すべての選挙の回数を合計すると…?

以上をまとめると,ゆうこさんが一生で経験する選挙は

・衆議院議員選挙:25回(衆議院が2.8年に1度解散された場合)

・参議院議員選挙:24回

・東京都知事,東京都議会,中野区長,中野区議会:各18回(すべて任期満了に伴う選挙を仮定)

よって,すべてを合計すると

25+24+18×4=121(回)

なんと,ゆうこさんが一生の間に121回もの選挙を経験するのです!

18歳から選挙権が与えられるゆうこさん世代の人は,120回前後の選挙を一生のうちに経験することになります。20歳から選挙権が与えられていた世代の人でも,一生のうちに100回以上の選挙を経験することになるのです。

僕は,選挙の投票用紙を選挙箱に入れるときの「すぽっ」という感覚がたまらなく好きな,「選挙フェチ」な人間です。この快感が,一生で100回以上も経験できると知り,なんだかうれしくなりました。

冒頭で「一生のうちにやって来る選挙の回数は,一生の間にやって来る〇〇よりも多い」と紹介しました。「〇〇」に当てはまる答えは,ずばり「誕生日」!それにしても,自分たちの誕生日よりも頻繁に選挙がやって来るとは,驚きです。

「一生のうちに100回以上もあるのだから,別に今回は選挙に行かなくてもいいや」と思われるかもしれませんが,1回1回すべての選挙が大切な選挙です。投票用紙を投票箱に入れるときの快感をできるだけ多く味わうためにも,是非とも「選挙皆勤賞」を目指したいところですね。

(20歳にして既に,皆勤賞の夢が絶たれている僕ですが…これからは,皆勤賞を目指したいと思います。)

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